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お迎え

2012.10.29

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 昨日朝早くからホームでそば打ちをしていると、起きて顔洗い朝食のテーブルに着くはずのヨサクさんがそば台の前に立ちました。 朝の挨拶をするのかと思いきや、「親方、長らくお世話になりました。」深々頭を下げるのです。 思わず「どうした爺ちゃん、寝ぼけている場合じゃないヨ」と言うと、本人いわく「持っても今日一日、夕方までには死んでしまう」と言いテーブルに付き最期の朝食を食べ始めました。 よく聞くと、夢に奥さんや昔の知り合いが枕元に立ち「もう、あんたは死ぬ」と「お迎え」に来たのだそうです。 ヨサクさんの体調は問題ありませんが、乾燥皮膚で痒く、夜眠れなかったからではないかと職員が言います。 勿論薬は付けています。 あまりに真顔で言うものですから、何でもないと思ってもきになりました。 約束の時間になり出かけ、夜ホームに帰るともう寝ていました。 今日で最期かと部屋をのぞき家に帰り、今朝ホームに来るといつも通りに朝食を完食したヨサクさんがおり、思わず大声で笑いたくなりました。