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最後の晩餐

2017.11.22

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 父がこの世を去り、もうすぐ100日となります。 今頃あの世のどの辺を歩いているのか気になるところです。 生前の父は、美味い物にはお金を惜しまない人でした。 肉魚は勿論ですが、なかでも毛ガニが大の好物でした。 毛ガニが手に入ると、一人で殻をむき酒を飲む、父にとって至高の一時です。 体調が悪くなり、物が食べられなくなったとき、最後に口に入れたのはやはり米でした。
 母は普段食べない、魚沼産のコシヒカリを用意すると父は甘い米だと言って口に入れました。 戦後、食料の無い時代に育った人たちは米に対する思い入れは強いものがあります。 父の食堂選びの基準は米が美味いかでした。 その基準は私も同じです。 ですから、私が死んだら、仏前に供えて欲しいものを家族には伝えてあります。 まず、遺影は胡蝶蘭で囲う事、供物は北見大丸のどら焼きを山盛り、赤福3列入りを3箱、それと足寄高橋の食パン3本。 後はミカンの缶詰とパインの缶詰、飲物は根室の搾りたてと万寿があれば良いです。 あと一つ、ノリで巻いたカツオのお握りを一つ棺の中に入れてください。 何を食べても最後はおにぎりです。 果してこの遺言守ってくれるでしょうか。