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別無工夫

2011.02.16

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 先週末はそば打ちの修行のため紋別に行っていました。 そこでそば打ちの奥深さを又知りました。 それが「別無工夫」と言う言葉です。 東京から来られた、寺西恭子先生に私の延し棒に書いていただいた言葉です。 寺西先生は素人そば打ち最高段位で、第8代全国名人でも有り私が教えていただいている、折笠名人が師と仰ぐ人です。 「別無工夫」とは臨済宗の高僧夢窓国師が書かれた書の話しですが、別に工夫無しと読みます。 人生は山有り谷ありで、だれでも人生の底にいる時何とかして早く抜け出そうと自分なりに工夫しますが、そんな工夫はしなくても良いと言う事だそうです。 つまり、工夫する時には過去の経験を反省したり、将来の不透明に不安を感じてあれこれするのですが、そうすると「こころ」が「いま(現状)」から離れ、「こころ」が安定性を失い、不安定な心では解決できない。 そば打ちも、上手く打とうと変な工夫や無駄な動きをしない。 今その時のそばをシンプルかつ真剣に打つ。 その境地には死んでも届きそうにありません。